「試験勉強」

単語帳を開いて勉強中

定期試験の前後は中学生、高校生を問わず家庭教師のご相談がある時期です。特別「試験勉強」に関してご相談があると言うより、「試験勉強のやり方を教えて欲しい。」とか「試験の結果が良くなくて。」 と言った、試験に絡んでのご相談が多くなります。 そこで、今回はご両親が最も気にされている「試験」をテーマにお話をしたいと思います。

「試験の前になると気分が重たくなる。」

「試験が始まる!」「もうすぐ試験だ。。。」この記事のみなさんはお子さんをお持ちの子育ての真っ最中でいらっしゃると思います。あの言いようのない「どんより」とした心理。 覚えていますでしようか? 思い出します40年近く前のあの頃。この時期(2学期期末シーズンにこの記事を書いています。)ウキウキされていたなんて方はいらっしゃるとは思えません。 私もなんとも言えない嫌な気持ちがしたものでした。なぜ、試験の前になると気分が重たくなるのでしよう。みなさんはどう思い出されますか?

私自身の経験から考えると、まず第一に「試験」と言う言葉の通り自分を試される。と言うような評価(審判)の場に立たされるような気分。 それから、試される自分の力への不安と、どうにかしたい。と言うような感情の混ざり合うスッキリしない気持ち。そして、その判決(試験)の日まで勉強しなくては。と言う事に対する面倒な気持ち。 そうした幾つもの気分がマイナスの方向へ向かわせる心理が混ざり合って「試験の前になると気分が重たくなる。」と言う状況になってしまっていた印象があります。 大人になれば、そうした心理状態は分析も出来るのですが、さすがに子供の時分はただただ「試験の前になると気分が重たくなる。」となった訳です。

この心理。家庭教師で解消する必要はあるのかないのか? 勿論「この心理を解消して欲しい。」と言うようなご要望は親御さんからはないのですが、子供たちは「気分が重い~。」と家庭教師たちに、 その気持ちを伝えて来ます。家庭教師たちも「分かるよ~。」「頑張ろう!」と答える訳ですが、50歳を越え様々な経験を積み重ね私は「この心理を解消する必要はないな。」と分 かりました。大人へ近づくための、とっても大切な経験をしているのですから、心の経験値を上げる機会だと思います。「頑張れ!」で良いと思うのです。

「試験にどう立ち向かうか。」

試験の前の心理を思い出して頂いた理由は、その心理を活かす事を考えてみるのがいいのではと私が考えて来たからですが、どの道判決(試験)の日は来るのですから、嫌な気分を1週間なり2週間なり続けるくらいなら、 気持ちが落ち着く方を選ぶ。「勉強する」か「勉強しない。」か、どちらが気持ちが落ち着くかの2択ですね。私は出来るだけ1択して来た訳ですが、それでも「やりたくないなぁ。」 とか「面倒くさいなぁ。」と言う気持ちに負ける事もあったのは事実です。と言う訳で、実は心理を活かそうとしても失敗もあり、心理を活かすだけは「試験に立ち向かう。」ための気持ちのコントロールを続ける事は、 他のマイナス心理が大きく影響して難しい側面があるのです。

本当に人間の心理のコントロールは難しい。 家庭教師のお世話をする仕事をするようになって、この試験の前の子供たちの気持ちに関して、コントロールの出来ない重たい気分はそのままに前向きにする方法は何かないものだろうか?と考えるようになりました。 苦肉の結論でもありますが、先ほどお話した大切な経験の時との考えからも、それでいいと考えています。 例えば歴史に限定するとビリギャルのようにマンガから入る方法も1つの方法で、社会にやる気が少ない子供に実践する事もあるのですが。それが全てを解決してくれる訳ではありません。

20数年続けて来た結論としては、残念ながら「これだ!」と明確にお話し出来る方法はまだ見つかっていません。ただ、家庭教師たちにお話しして実践している方法はあります。また「試験勉強」は、 子供たちやご両親に、関心の高いテーマですから少しご紹介しようと思います。

「試験に立ち向かう。」

私が学生時代に勉強する際、いえ、勉強しなくてはならない際とお話をした方が的を得たお話だと思いますが、考えに考え抜いて、少しでも「苦しみ」を柔らげたいと「編み出した方法」があります。 正に「試験に立ち向かう。」しか道がないための苦肉の策です。(私にはどうしても入りたいと言うか、入らなくてはならないと考えた進路がありました。) 簡単に言えば「出来ないならしない。」と言う悟りの境地とでも言えば良いのでしょうか?

出来ない事をすると気持ちが重たくなり、更に試験の日へ向けた毎日が嫌になるため、 嫌な勉強が益々嫌なものに変わって行きます。「どう言う作戦を立てるか」思いっ切りその当時の私は考えました。 私の心のど真ん中にある思いは「勉強は面倒だ。でも、試験の結果は欲しい。」と言った(皆さんもそう思いませんでしたか?)非常に利己的な自己中心的とも言える人間本来の欲求に満ちていた感情のように思います。 その矛盾した心理から編み出したとでも言える究極の選択が「出来る事しかしない。」「出来る事を確実に力にする。」と言うダメ元の玉砕的な作戦方針だったのです。

考えたのは、なぜ勉強が面倒になるか?ここにヒントがあります。 みなさんも考えてみて下さい。 人間って「出来そうな」事が「出来る」だけでも随分気分が楽になるもので、 その方針で作戦を立てて実践するようになってからは、飛躍的に学習時間が増えて行きました。時間が増えて「分かる」事が増えると、いつしか過去には出来なかったような難しい問題も、少し楽しみながら考える事が出来るようになり、 最終的にはいつしか得点が伸びて、当時の自分では「ビックリ」するような点数が取れるようになっていました。

この経験は家庭教師をするようになってから、そして、家庭教師をお世話する仕事をしてとても活かされています。同時に、家庭教師の協会を運営経営した長い年月の中で、山もあり谷もあり、 何度か味わった苦しい時期を乗り越える時の考え方のヒントにもなっています。とても貴重な経験を当時していたのだなぁ。と今も当時の自分に感謝する思いがあります。

「試験に立ち向かう。」この貴重な学びの時から得る経験は、一生の財産になるものなのかもしれないと思います。 子供たちが勉強に苦しんでいるのでしたら、「出来る事から始めなさい。」 と声を掛けて下さる事が、もしかすると、勉強の向き合い方を変えてあげる大きな切っ掛けになるかもしれません。

「結果を味わう。」

家庭教師たちによくお話する事ですが、試験を終えて「何点取れた。」「出来た。」「ダメだった。」で終わってしまう子供たちが大半です。本田宗一郎さんのお話(←暗記と理解ページ)でも話した事ですが、 全ての現象には道理があります。試験の結果にも道理がある訳ですね。ですから「結果を味わう」としましたが「試験の結果から得た得点の理由」を考えて、得点を伸ばすために出来なかった理由を考えたり、 次の試験での対策を、終わった試験の勉強を振り返り見つけておき「結果を味わう」事はとても重要です。

同じ失敗をしなために何をしたら良いか。や、自分の出来た事で足りなかった作業はなかったのか。などから、仮にその対策をして行けば何点くらいは加点出来るかなどを見つけてしまえば、次の試験で目標の得点も出来て来ます。 家庭教師のお世話でご家庭へ伺って「テストの答案用紙を見せてくれる?」と訊ねて「捨ててしまった。」と答える子供もいます。

もし、捨ててしまうようでしたら無理でも 「お父さん(お母さん)も一緒に出来そうな問題だけでも振り返ってみよう。」と「点数」だけを気にされるのではなく、試験で勉強した事を確認してあげて、子供さんが出来るはずの事を見逃してないかを一緒に考えてあげて下さると、何か次の試験に向けて発見があるかもしれません。

最後に

新潟や北陸で家庭教師の仕事をして来て、現在、私は新潟市西区の新潟大学の近くに事務所を構えて家庭教師の仕事をしています。丁度この記事を書いている時期は前後期制の学校の期末の終わった時期です。 もうすぐ平成28年もあと1ヶ月の時期です。月末はたくさんの家庭教師たちの指導報告を見ますが、試験の結果も報告出来るようになっていますので、目を通すのですが、「やったねー。」 と思うような子供たちの試験結果を見ると、とても嬉しい気持ちで一杯になります。

家庭教師で勉強するまでは取った事のないような得点を出してくれる子供もたくさんいます。 また、その逆になかなか結果に結びつかなくて、どうしてあげたらいいのだろう。と家庭教師と一緒に悩む事もあります。1つ言える事は、その子供その子供それぞれに、学力を吸収する時期があると言う事も真理だと考えています。 家庭教師が適切なアドバイスをしていても、そのアドバイスを受け止めようとする意識が少なかったり、実践してくれなかったりと言う理由が潜んでいる訳です。

家庭教師をお世話して1年間ほどほとんど成績に繋がらなかった生徒が、ある時期、急激に点数が変わった。と言う事もたくさん経験しています。 お母様方はどうしても子供たちに「勉強しなさい!」とか「どうしてこんな点数なの。」など、ともすれば子供たちにとってネガティブな言葉をかけてしまいがちになる事もあると思いますが、 人間として成長させてあげる事が勉強に向き合うために必要な第一の条件です。そのお話をお伺いするご両親に良くお話をする事がありますが、ぜひ、子育てに真っ最中のみなさんにも考えて頂きたいと思います。

「勉強は子育ての内の1つです。」とご両親にお話をしますが、ともすれば、試験の結果だけに目が行きがちになるのも親御さんであればこその心理ですが、子供を成長させる事が教育の1番目である事は、 ぜひ、忘れないで欲しいと思います。 子供たちの学習に、何かご相談があったり、疑問に思われる事がございましたら、家庭教師のアズ新潟へ気軽にお電話下されば必ず私、代表の渡辺がご相談をお受けします。お気軽にお電話して頂けたらと思います。