新潟は晴れる日こそ少ないものの、1月から2月半ばにあったようなドカ雪が降る事はもうなくなりましたが、まだ道路沿いには雪が積み上がり、新潟市でも市内のあちこちに除雪で出来た雪の山が残されています。
雪の山を見ていると、これは3月半ば過ぎくらいまで雪の山は無くなる事はなさそうです。
こんなに雪だらけの新潟市の状態は近年には見た事がありません。今年の冬は凄い年になりました。こうして長い年月の中で1年はいつもと同じように繰り返されるようでも、その年によってはいつもと違う自然の姿を経験させてくれるのですね。
自然が長い年月色々な姿の春夏秋冬を繰り返す中で、人間は進化し文明を作り出して来ました。
日本は近代に入って明治維新を経て日本は西洋から近代文明を学び取り西洋化を進め、太平洋戦争を経て現在の日本の姿となりました。
戦争を終えてからの日本は、自由で平等を柱にする日本国憲法の基で国民権利を確立しながら、敗戦した日本を復活させるために真面目で勤勉な子供達を育てる教育を行い、そうした勤勉な労働力で日本は世界第2位の経済大国へと復活しました。
これまでの教育は、既に人間が得た知織を習得しその知識を使って日本を成長させる事の出来る人材を育てる教育であったのだと思います。
しかし現在インターネットの普及や、働き方の改革、また、地域の教育力の低下など様々な環境の変化から過去の教育にはなかった新たな教育の必要性が出て来ました。
文部科学省は『これまでの我が国の教育は、知識を一方的に教え込む教育に陥りがちで、自ら学び、自ら考える力や豊かな人間性をはぐくむ教育がおろそかになってきたこと、また、教育における平等性を重視するあまり、一人一人の多様な個性や能力の伸長という点に必ずしも十分意を用いてこなかったことは否定できない。』と言うコメントを出し、これまでの教育の問題点を取り上げています。
そして、教育改革の推進に当たっては、特に次のような視点が重要である。と述べ
1) 知育偏重の風潮や知識詰め込み型の教育を改め、正義感や倫理観などの豊かな人間性をはぐくむ教育を重視するとともに、権利や自由の主張のみでなく、これに伴う義務や責任についても十分に自覚させること
2) 戦後の行き過ぎた平等主義から脱却し、子どもたち一人一人の個性・能力を尊重した教育へと転換を図ること
3) 科学技術創造立国を目指して、基礎研究や先端科学技術の水準を一層向上させること
と言う改革の方向性を示しました。
2020年からの大学入試もこうした教育改革方針から『知識量だけでなく思考力や判断力、表現力などを問う入試をめざし、現在の中2が高3になる2020年度から実施する。「大学入試センター試験」に代え、新共通テストとして「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を行い、記述式を導入。』と大きく変わる事になります。
これは文科省の3つの教育改革の視点の内の1番目の『知育偏重の風潮や知識詰め込み型の教育を改め、正義感や倫理観などの豊かな人間性をはぐくむ教育』を受けての改革です。
教育そのものを生業としていらっしゃらない方には、もしかするとあまりピンと来ない教育改革なのかも知れませんが、家庭教師と共に子供達に勉強を教えて来た私にとってこの教育改革は、『やっと正しい方向見た教育へ向かう』と言う感覚があります。
知識は使い活かすことが出来てこそ意味があります。ですから『思考力や判断力、表現力などを問う大学入試』へ舵を取ることはとても大きな意味があるのです。
得た知識から自分で考え判断し行動し表現してこそ人間界で生きる事の正解を感じ取る事が出来ます。
同時に、過去の知識を繰り返し使うだけであれば、それはコンピューターがこれからを担いますから、人間が人間だからこそ出来る事は、未来を想像し思い描き見つけ出し、その未来を得るための具体的行動を様々な選択から判断し、実行し表現して、得たいと思う未来を創り出すことがこれからの人間の仕事になると思うのです。
ですからこれは、とても重要で大きな教育の方向性の改革なのだと思います。
そして、もう1つ大事で大きな教育改革だと思える事は2番目の『行き過ぎた平等主義から脱却し、子どもたち一人一人の個性・能力を尊重した教育へと転換を図る』とした内容です。
横並びの優等生作りを目指す教育で企業は、勤勉で真面目な人材を得て、そうした人材の力で日本は経済大国へと生まれ変わり、人々も他と同じような生活や幸せを得る事を目的に生きて来たのが過去の日本人の生き方のように思います。
しかし、インターネットが普及し、様々な考え方や価値観に誰もが触れる事が出来るようになり、また、先進国間の世界経済の争いの中で、過去を繰り返す経済活動ではなく、新しい価値観や未来の提案や実現などが求められるようになっています。
そうした世界や社会の変化に対応し日本が成長するためにも必要なことは、多様な個々の個性が集まって、多様な発想や考えや思いから、人間にとって有意義な未来を提案し創り出すことが求められて来るのだと思います。
また、個々の暮らしや生活も自由な個性ある暮らしが求められるようになって行く時に、過去に囚われない発想こそが必要で企業も個人も、そうした暮らしを創り出す力が求められるようになって来ると思うのです。
家庭教師で子供たちに長い年月勉強の手伝いをして来て、入試やテストの点数のために覚える勉強の無意味さを感じていた私にとって、これからの教育改革はとても賛同出来るものです。
教育は子供達を育て、同時に日本人全体と1人1人が豊かになるために行われてこそ意味があり有益です。
こうして教育のあり方を思い考える時、多くのご父兄は、大変失礼な物言いですが、未だに過去の教育観に囚われている事が多いように思います。
試験やテストの得点だけで子供を見る必要はないように思います。
個性を大事に育て、認める事で子供達は自分を信じて自由な発想を持ち、思い描き行動を探し実践し、成功や失敗を繰り返して、子供達の未来を生きる力を得て行きます。
学力や勉強も同様の繰り返しでこそ、本質を知り基本を理解し応用する力に繋がるのです。
これから教育の姿は変わると思います。
確かに教育が変わり人も人の暮らしも大きく変わったのだとたくさんの人が実感するのは、まだまだ、先の事になるのかも知れませんが、こうした教育の変化から生まれる事は大きなうねりとなって、様々な事に変化が生まれて来るように思います。
小学生、中学生、高校生の子供たちを育てられているご父兄の皆様がこの記事をお読みでしたら、ぜひ、子供たちの学習や教育の方向性をお考えになる際の参考にして頂いて、子育てや勉強の方向性に関してご父兄のお考えを育てて頂く上で役に立つ事が出来れば嬉しく思います。
【参考記事】